2020 年 62 巻 p. 31-37
糖含有珪藻土および糖蜜吸着資材を用いた土壌還元消毒技術の,トマト青枯病,トマト褐色根腐病,トマトかいよう病,ネコブセンチュウに対する防除効果を検討した。両資材ともに 1 t/10 a以上の施用量で,作土層以下の深層 50 cmまでの土壌還元力が高かったことから,両資材から溶出した糖分が深層へ浸透して,還元状態を引き起こすと考えられた。消毒直後は,土壌中の青枯病菌およびネコブセンチュウ密度を検出限界値未満まで抑制することができた。また,いずれの土壌病害虫も次作での発生が無い,または少なく推移し,両資材を用いた土壌還元消毒は高い防除効果を示した。特に,青枯病に対しては,高接ぎ木技術との体系化がより高い防除効果を示した。