2022 年 64 巻 p. 28-35
静岡県内の斑点米カメムシ類の種構成を,地域別に調べた。その結果,静岡県東部地域では斑点米カメムシ類の数は少なく,アカスジカスミカメの割合も低かった。一方,静岡県西部地域では斑点米カメムシ類の数は多く,アカスジカスミカメの割合も高かった。水田畦畔および周辺雑草地におけるネズミムギの発生ほ場率とアカスジカスミカメ捕獲数との間には,弱い正の相関が認められた。加えて,2018年以降,静岡県西部地域では,イネカメムシの割合が高くなった。アカスジカスミカメ成虫に対する4薬剤(MEP乳剤,エチプロールフロアブル,エトフェンプロックス乳剤およびジノテフラン水和剤)の殺虫効果を調べた。その結果,いずれの薬剤も殺虫効果が認められ,特にMEP乳剤およびエトフェンプロックス乳剤の効果が高かった。