関西病虫害研究会報
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原著論文
モモせん孔細菌病の春型枝病斑が発現した一年枝の特徴と早期切除が発病状況に及ぼす効果
堀川 英則大橋 博子石川 博司内田 祐太伊藤 涼太郎石井 直樹永井 裕史閏間 貞雄大野 徹松崎 聖史
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2022 年 64 巻 p. 36-42

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抄録

モモせん孔細菌病の春型枝病斑の早期の発見と切除を目的として,その発生前の生育状況と病斑発生について把握するため,2016年,2017年及び2021年の計3年間,愛知県長久手市内のモモ“日川白鳳”栽培ほ場にて調査した。春型枝病斑が発生した枝は発生しなかった枝と比較して,葉芽の発芽率が低く,枝ごとの平均葉長が短く推移する傾向が見られた。

また,2017年と2018年において発芽期から収穫終了までモモせん孔細菌病に対する化学的防除を実施しないほ場で春型枝病斑の早期切除を実施した。早期切除を実施した区では早期切除を実施しない区と比較して2017年と2018年ともに葉における発病が低下する傾向が見られた。そして,早期切除した枝と健全枝からのモモせん孔細菌病菌の分離頻度は,早期切除した枝の方が健全枝よりも枝の表面からの検出率が増加した。

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