2022 年 64 巻 p. 81-88
スワルスキーカブリダニを放飼した促成栽培ナスにおける天敵温存植物の利用を想定し,スカエボラおよびスイートアリッサム,モナルダ,アゲラタム,バーベナの5草種を評価した。その結果,スワルスキーカブリダニの個体数は,茎葉上ではアゲラタム,花房上ではスイートアリッサムとスカエボラで多かった。バーベナとモナルダでは,茎葉上,花房上のどちらにおいても低密度であったことから,本天敵の保護・強化の機能は低く,実用性は低いと考えられた。一方,アゲラタムではナス害虫となり得る害虫類の発生が4種類と比較的多く,ナス圃場で利用する天敵温存植物として不適と考えられた。以上から,促成栽培ナス圃場における天敵温存植物としてスイートアリッサムとスカエボラが適していると考えられた。