2023 年 65 巻 p. 48-52
イチゴ灰色かび病を対象として,細霧冷房システムを用いた電解水散布技術の発病抑制効果とハウス内の温湿度に与える影響を調査した。その結果,夜間の電解水散布では灰色かび病の発病が抑制されず,高湿度条件の持続につながった。このため,灰色かび病の発生に好適な気温で周辺からの胞子飛散量の多い条件では,夜間の電解水散布は本病の発病を助長する可能性が考えられた。一方で日中の電解水散布では,湿度上昇は一時的で,電解水区で果実発病が抑制された。この効果は,細霧冷房システムによって電解水が十分に散布され葉に濡れの確認された株で特に高かった。