2025 年 67 巻 p. 10-14
滋賀県の水田で発生するイネカメムシの防除に有効な薬剤を選定するため,2024年7月に県南部の3地域で越冬世代成虫を採集し,5種類の化学合成殺虫剤の効果を虫体浸漬法によって検定した。加えて,効果の雌雄差を考慮したベイズモデルを用いて補正死虫率を推定した。その結果,エチプロール水和剤,エトフェンプロックス乳剤,ジノテフラン液剤およびスルホキサフロル水和剤(いずれも100 ppm)の補正死虫率は供試24時間後に80%以上となり,即効性で高い殺虫効果が認められたことから,本種の防除に有効であると考えられた。フルピリミン水和剤(100 ppm)の補正死虫率は2地点の個体群で他の剤よりも低く,殺虫効果はオスよりもメス成虫で低い傾向にあった。加えて,一部の苦悶虫が回復したために,供試24時間後よりも72時間後の補正死虫率が低くなった。