2025 年 67 巻 p. 15-19
Pseudomonas syringae pv. sesamiによるゴマ斑点細菌病に対する温湯消毒の防除効果を評価した。幼苗検定での評価では,47°C以下の温度では防除効果が顕著に低下したものの,50°C 5~20分間,55°C 5~15分間の温湯処理により高い防除効果が認められた。また,圃場試験においても50°Cおよび55°Cの処理により,同様に高い効果が認められた。
本処理の実用性について評価するため,温湯処理が発芽に及ぼす影響を調査した。温湯処理1か月後の種子について,発芽状況を調査したところ,55°C処理では発芽勢および発芽率がやや低下する傾向が認められたことから,実用上の処理条件として,50°Cでの温湯消毒が有効であると考えられた。