大根萎黄病に関する研究 (第2報)

病原菌の培養的性質について

抄録

1) 本報告は大根萎黄病菌の培養基上における2,3の培養的性質について試験した結果である.
2) 本病菌は各種の培養基上でもよく発育するが,特に大根根寒天, 馬鈴薯寒天, 蒸米及び斉藤氏醤油寒天各培養基が発育良好で, 小型分生胞子及び厚膜胞子をよく形成し, 大型分生胞子も比較的多く形成する. 又多くの培養基上の菌叢は白色であつたが, 馬鈴薯寒天始め2種の培養基では淡紫色～紫色を呈する.
3) 発育可能なpHの範囲は広く, 2.8～9.6でもよく発育し, 最適pHは7.8～8.8であるが, 5.2～9.6の範囲では, 大差は認められない.
4) 発育最適温度は28℃あるが22～30℃は大差なく, 最低及び最高温度は夫々5～8℃及び35℃前後である.