関西病虫害研究会報
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苗代の微気象とイモチ病の初発生並びに被害との関係について
芳岡 昭夫
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1958 年 1 巻 p. 40-44

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抄録

1. 本試験は苗代イモチ病の予察法を知らんとして昭和22年度より特別に設置した陸苗代内に於て観測した微気象とイモチ病の発生について調査した結果の概要である. 2. 苗代イモチ病の初発生は草丈との関係が大きく, 草丈が25cm以上にならないと病原菌の存在を認めても初発生を認められなかつた. 3. 温度と初発生, 温度と被害についての相関は直接に見られなかつた. 4. 初発生の早晩と被害の多少との関係は少く, 初発生が早いことが必ずしも被害を多くしなかつた. 5. 初発生後の高湿度日数が多いことは被害を大きくする. 故に其の後の湿度が低いと被害が少く, 高湿度日数が多いことは被害を大きくする. このことは一の苗代に於て初発生後高湿であつても早く田植をしたために苗代日数が短くなれば, それだけ被害が少くなることとも一致すると思われる.

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