関西病虫害研究会報
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芝草を加害するコガネムシ類の研究
VII ドウガネブイブイ成虫の走光性反応
吉田 正義広尾 順三
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1975 年 17 巻 p. 15-19

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抄録
ドウガネブイブイの成虫の夜間活動について知見を得るため,走光性反応について実験を行ない成虫を誘致する最低照度と最適照度を求めるとともに,成虫の夜間活動の時間帯やその時の照度について検討した.
(1)成虫は光線に対して強い走光性反応を示した.分散率と光源到達率から成虫の走光性反応を誘起する最低照度をみると,雄では4.08×10-7lux,雌では4.08×10-6luxであった.
(2)成虫の走光性反応を示す最適照度は雌雄ともに4.08×10-4~3.26luxの範囲で,雌雄による相異は認められなかった.
(3)雌雄の走光性反応曲線はいずれも類似の傾向がみられた.また,102~104luxの照度では雌雄ともに強い走光性反応はみられなかった.
(4)成虫の活動の時間帯は予察灯による誘殺曲線とほぼ同様な傾向がみられ,暗闇においても成虫の飛来が認められた.
(5)成虫の飛来は日暮れ時の午後7時30分から始まり,成虫の走光性を誘起する最適照度の3.26luxとほぼ一致した.
(6)成虫の走光性活動の最盛期は午後8時から9時までで,野外における照度はほぼ0.02luxであった.
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