抄録
(1) 水稲の田植前に, BHC粉剤とデイブテレツクス粒状を施用してニカメイチユウに対する防除効力の比較, BHC原末の効力, BHCの稲体内への移行の問題等について, 圃場試験, ポツト試験, 生物検定法等について検討した.
(2) BHCγ3%粉剤のアール当り, 0.6kg, 1.2kg, 2.4kg, デイプテレツクス1.5%粒状2.4kg区は, 1化期中期の被害茎率は無処理区に対して有意差をもつて効力が認められたが1化期末の被害茎率ではBHCの1.2kg, 2.4kg区のみが無処理区に対して有意差が認められた. これらの結果から土壌施用によるニカメイチユウ防除はデイプテレツクスより, BHCの方が優れていることが解つた.
(3) 前記試験によつてBHC粉剤の効力が認められたので薬剤費軽減のためBHC原末の利用がよいと考えられたので, 晩植稲を便用して試験した結果, BHC原末はBHC3%粉剤と同等の効力が認められた. しかしリンデン (99.6%) 原末はBHCより若干効力が劣つた.
(4) BHCとデイプテレツクスを土壌中に施用した場合, 両薬剤が稲体内に入り移行してゆく状態を稲移植後17日目まで追求した. 水稲を根, 葉鞘, 葉身の3部分にわけて, 各部分から有効成分量を生物検定により定量した結果根から検出されたγBHCの量は移植後5日以内に最高値 (1.2kg/a相当の場合で約20p.p.m.) を示しその後は減少する. 葉鞘では11日目頃まで増加し (同前の場合で約8P,P.m.) 以後減少する. 葉身部からは検出されなかつた. BHCは水稲の組織内を移行したものと考えられる. デイプテレツクスは方法の不備から36P.P.m. 以下であることしか算出されなかつた.