関西病虫害研究会報
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Botrytis cinerea分生胞子による果菜類感染に及ぼす花粉の影響
山川 哲弘
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1984 年 26 巻 p. 1-8

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抄録
1. Botrytis cinerea による果菜類灰色かび病の伝染に及ぼす花粉の影響について検討した.
2. 花粉は分生胞子の発芽を促進し, 発芽管の仲長やナス葉の切口からの侵入を増加させた.
3. イチゴやナスの花粉から, 多くのグルコーズ, フルクトーズ, プロリソ, グルタミン酸およびセリンなどが検出された.
4. グルコーズとフルクトーズは低濃度で分生胞子の発芽管の伸長を促進し, セリソは付着器形成率を高めた. グルコーズとアミノ酸, とくにセリンは本菌の侵入を増加させた.
5. 以上の結果から花粉は糖類とアミノ酸の相互作用により, 灰色かび病菌分生胞子による侵入と発病を促進するものと推定される.
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