関西病虫害研究会報
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ダイズ黒根腐病に関する研究
(第3報) 黒根腐病がダイズの生育・収量等に及ぼす影響とその品種間差異
仲川 晃生島田 信二山口 武夫
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1990 年 32 巻 p. 1-8

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抄録

黒根腐病に対するダイズ品種の抵抗性を調べるため, 1986年から3年間にわたり, 18品種を用いて検定を行い, 以下の結果を得た.
1) 発病株率は品種問で差異がみられ, アキヨシ,フクユタカ及びシロタエ等は発病株率が低く, 逆に, シロユタカ, Lee, アキシロメ及びタマホマレ等は高かった. 品種の早晩では中生品種で抵抗性が弱く, 晩生で強い傾向があった.
2) 本病によりダイズの草丈, 主茎長が抑制され生育のステージも遅れる傾向が認められた. しかし, 発病株率と草丈及び主茎長の減少率との間の相関は低かった.
3) 本病により百粒重並びに収量はいずれの品種でも減少し, 特に, Lee及び納豆小粒では, 1株当たり着英数が大幅に減少した. また, 成熟期は, 健全なものに比べ早まり, 葉からの蒸散量も大幅に低下した.
4) 本病によるダイズ品種の抵抗性を発病株率及び生育・収量等が受ける影響の両面から検討した結果, フクユタカ, アキヨシ及び丹波黒は抵抗が強く, シロメユタカ, Lee及びタマホマレは弱かった.

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