日本火災学会論文集
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論文
文化財建造物の火災に対する放水銃等の防災設備の活用実態に関する事例分析と考察
崎田 芳晴
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2017 年 67 巻 2 号 p. 69-75

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抄録

文化財建造物には,自動火災報知設備や消火器のほかに,屋外に放水銃やドレンチャー等の消火設備が設置されている。これらの屋外における消火設備は,他の建物の火災からの延焼防止を主な目的として設置されている。また,文化財建造物の防災設備については,消防法に規定されるような具体的な設置基準及び維持管理基準は定められていない。
本研究では,過去の火災事例の分析を通じて,文化財建造物に設置されている放水銃等の防災設備がどのように活用されてきたかについて調べ考察を加えた。その結果,現在の防災設備だけでは,建物内部から出火した火災への対応については不十分であり,屋内消火栓設備などの初期消火装置の設置促進を図る必要のあることがわかった。

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© 2017 日本火災学会
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