2020 年 70 巻 2 号 p. 35-51
消防隊員の活動時の体温上昇の抑制や休息時の身体冷却などに効果的な解決策の検討を要する。本研究では,防火衣を着装した消防隊員への外的要因による体温上昇や身体冷却を評価することを目的とした。高温環境での消防活動を模擬した運動時の生理学的指標を定量化し,プレクーリング及び運動後の身体冷却の方法としてアイススラリー(約1°C)の経口摂取に注目して実験的検討を行った。室温40°Cでの20分間の踏み台昇降運動後の休息では水(約10°C)摂取と比べて,直腸温の温度上昇を約4分早く降下に転じさせ,その極大値は平均で0.11°C抑制された。また,その運動後の直腸温の温度上昇の極大値は,室温25°Cでの運動に対して40°Cでは水摂取で1.81倍,アイススラリー摂取で1.63倍であり,また水摂取に対してアイススラリー摂取によって約23.8%低減された。