日本火災学会論文集
Online ISSN : 1883-5600
Print ISSN : 0546-0794
ISSN-L : 0546-0794
70 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
論文
  • 丁 鐘珍, 水野 雅之, 柳田 信也, 市村 志朗, 山本 隆彦, 大宮 喜文
    2020 年 70 巻 2 号 p. 35-51
    発行日: 2020/08/25
    公開日: 2021/10/29
    ジャーナル フリー

    消防隊員の活動時の体温上昇の抑制や休息時の身体冷却などに効果的な解決策の検討を要する。本研究では,防火衣を着装した消防隊員への外的要因による体温上昇や身体冷却を評価することを目的とした。高温環境での消防活動を模擬した運動時の生理学的指標を定量化し,プレクーリング及び運動後の身体冷却の方法としてアイススラリー(約1°C)の経口摂取に注目して実験的検討を行った。室温40°Cでの20分間の踏み台昇降運動後の休息では水(約10°C)摂取と比べて,直腸温の温度上昇を約4分早く降下に転じさせ,その極大値は平均で0.11°C抑制された。また,その運動後の直腸温の温度上昇の極大値は,室温25°Cでの運動に対して40°Cでは水摂取で1.81倍,アイススラリー摂取で1.63倍であり,また水摂取に対してアイススラリー摂取によって約23.8%低減された。

  • 四元 順也, 平島 岳夫, 豊田 康二
    2020 年 70 巻 2 号 p. 53-73
    発行日: 2020/08/25
    公開日: 2021/10/29
    ジャーナル フリー

    コンクリート床板と鉄骨小梁による合成梁において,梁端のみに耐火被覆を施し,ボルト接合部の温度を一定程度以下に抑えて火災時における梁端回転拘束効果を保持できれば,小梁の耐火被覆を省略できる可能性がある。本研究では,梁端のみ被覆された合成梁の温度分布予測手法を検討するため,差分法による三次元熱伝導解析を行い,実験との比較検討を行った。床板仕様による上フランジ上面の熱的境界条件の違い,接合部における熱容量の増加および材軸方向の熱伝導を考慮した解析モデルによる計算結果は,実験結果とよい一致を示した。さらに,各部位における入熱量分析に基づき,各種の伝熱成分が各部位の温度に及ぼす影響を明らかにし,影響の大きい伝熱成分のみを考慮した一次元熱伝導モデルによる簡易計算手法を提案した。

feedback
Top