本研究では,都道府県庁所在地を管轄する47消防本部を対象に,1948年3月7日の自治体消防発足時から2019年12月31日までの間に発生した火災出動に伴う殉職に関する調査を行い,情報が得られた62件について傾向を把握した。覚知時刻別に見ると,14:00 から15:59 で殉職事案が最も多く19%を占める。また,22:00 から翌5:59 の覚知時間帯に全体の52%が発生している。
事故発生時の活動段階は「放水開始~鎮圧前」が最も多く62%である。
殉職者の年齢層は20代が最も多く,20代と30代を合計すると,70%を占める。
本研究の結果を対策立案の基礎資料として,消防隊員のより安全な活動環境を整備されることを期待する。