オリーブ油を常食とする地中海沿岸地域では冠動脈疾患の罹患率が低いことから、オリーブ油の栄養学的研究が進み、一価不飽和脂肪酸のコレステロール低下作用やLDLの酸化抑制効果が示唆されている。近年ではオレイン酸含量を高める品種改良が盛んで、様々な高オレイン酸種の油が利用できる。本研究では、コレステロール代謝における油種の影響について高オレインヒマワリ油(HO)と高リノールサフラワー油(HL)を用いて検討した。方法は、4週齢の雄性モルモットを一週間予備飼育後、0.4%コレステロール負荷飼料に15%試験油を添加して4週間飼育した。その結果、血中総コレステロール値は、HO、HL群ともにパーム油群と比較して有意に低値を示したが、HDL-コレステロールは、HL群でのみ低下傾向が見られた。