疎水基を二本もつ陽イオン界面活性剤、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(DADA)の毛髪への吸着を研究した。DADAの吸着量は毛髪の種類、共存する界面活性剤の有無及び種類、濃度、温度に依存した。ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤が存在すると毛髪へのDADAの吸着量は減少し、疎水基が長いものほどその効果が大きかった。また、DADAのアルキル炭素鎖数の違いも顕著であり、アルキル炭素数が20のDDeDAはアルキル炭素数24のDDoDAより吸着量が多かった。また、DDeDAの吸着挙動は、疎水基が一本であるトリメチルステアリルアンモニウムクロリド(TSAC)と類似しており、DDoDAの挙動がむしろ特殊であることがわかった。