一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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モルモットにおけるコレステロール代謝に及ぼす高オレイン酸種油の油種の影響について
*藤原 葉子佐塚 あゆみ澤田 留美脊山 洋右鶴飼 晶子金子 和代
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p. 154

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抄録

【目的】オリーブ油の栄養学的研究から、オレイン酸(OA)に代表される一価不飽和脂肪酸のコレステロール低下作用やLDLの酸化抑制効果が示唆されている。この栄養学的意義に加えて、OAが酸化安定性に優れることから、近年、市販植物油のOA含量は増加する傾向にある。OA含量を高める品種改良も盛んで、現在では様々な種類の高オレイン酸種油が利用されている。昨年度の本大会において我々は、品種改良によってOA含量が80%以上に高められた高オレインヒマワリ油が、オリーブ油と同様に、血中総コレステロールを低下させ、HDL-コレステロールの低下は抑制するという好ましい効果をもつことを報告した。本研究では、高オレイン酸種油の油種の違いによるコレステロール代謝への影響について比較するため、高オレインヒマワリ油と高オレイン菜種油を用いて検討した。【方法】4週齢のHartley雄性モルモットを一週間予備飼育後、0.4%コレステロール負荷飼料に15%試験油を添加して4週間飼育した。試験油はパーム油(PO)および高リノールサフラワー油(HL)を対照とし、高オレインヒマワリ油(HOSUN)、高オレイン菜種油(HORS)を用いた。飼育期間終了後解剖し、血清および肝臓中の脂質分析と糞中胆汁酸、中性ステロール排泄量を測定した。【結果】血中総コレステロールおよびLDL-コレステロール値は、HOSUN群、HORS群ともにPO群と比較して、HL群と同程度に有意に低値を示した。また、HOSUN群、HORS群はHDL-コレステロールがHL群よりも高く保たれており、コレステロールバランスを改善する可能性が示唆された。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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