一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
会議情報
観光地における案内・誘導標示物の明視性に関する調査
*北川 葵秋月 有紀井上 容子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 232

詳細
抄録

観光地奈良において、約1kmの経路上にある案内標示物(2種類)・誘導標示物(10種類)を対象とし、明視性の観点から、物理量の測定と主観評価実験により実態を把握する。評価項目間や物理量との関係より、物理量の構成が複雑である標示物の明視三要素以外の重要変数の把握と評価への重み付けを検討する。【方法】案内・誘導標示物の大きさ・対比・背景輝度・設置環境・色等の物理量を測定し、特徴を把握する。さらに、それらを対象とし、現場での主観評価実験を行う(若齢被験者15名)。評価は、標示物を発見した地点(地点A)及び記載内容が理解できた地点(地点B)で行い、評価項目は、標示物の各部位及び全体について、「見やすさ(地点Bにおいてのみ)」・「デザインの良否」・「見つけやすさ」及び「総合評価」とする。【結果】総合評価が高いものは、見やすさ・見つけやすさ評価が高い。デザイン評価はやや傾向が異なり、地点Aにおいて、デザイン評価は高いものの総合評価及び見つけやすさ評価が低い標示物が見られる。評価項目と物理量との関係では、評価地点により、評価に影響する物理量の違いが見られる。地点Aにおいては、総合評価と見つけやすさ評価に対して、標示物全体の大きさや設置状態(明るさ・設置高さ・設置方向・植栽等の周辺の設置物)が影響している。地点Bにおいては、全ての評価に対して、面積あたりの文字数、外国語表記を含む主要な文字の寸法や最小文字寸法、文字の線幅及び文字と背景の輝度対比が影響している。使用されている色相数や配色及び記載情報の配置は、特にデザイン評価に影響する物理量である。

著者関連情報
© 2003 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top