一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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中学生の心理的特徴におよぼす食生活の影響(第2報)
-他責的行動と食生活の関係-
*近藤 淑子石村 哲代
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p. 79

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抄録

目的 前報告では、中学生の欲求不満行動と食生活とに関係のあることが示され、食生活の中でもとりわけ、食卓における家族関係との関係が深いことが示された。本報告では、欲求不満行動の中でも他責的反応をとりあげ、他責的反応と食餌内容、食習慣、食卓での家族関係の下位項目との関係を詳しく分析することを目的とした。方法 本学園中学生470名(男子225名、女子245名)を対象に、食生活実態調査とP-Fスタディを実施した。食生活実態調査は食餌内容、食習慣、食卓での家族関係の3つの領域にそれぞれ10項目ずつを設けた質問を用意した。欲求不満行動の指標としては、P-Fスタディの児童用を使用した。いずれも、時間制限はなしに、個人のぺ-スで記入させた。結果 主な結果は次の通りであった。(1) 他責的反応の少ない者は多い者に比して、食餌内容、食習慣、食卓での家族関係のすべての食生活領域において、有意により高い得点を示した。(2) 食生活の各領域の下位項目の分析では、家族関係領域の中の「家族が揃う」「食事時間が楽しい」「食事中の会話が楽しい」等の項目と、他責的反応とに有意な負の相関関係がみられた。(3) 性差の観点から見ると (1)、(2)に見られた傾向は男子よりも女子においてより顕著であった。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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