一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 3-1-1
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学校給食における米飯の導入継続に関する諸条件
*久保田 のぞみ佐藤 信河合 知子
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キーワード: 学校給食, 米飯, 北海道, 稲作
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抄録
【目的】学校給食に米飯が導入されてから約30年が経過し、全国的には米飯給食の実施率は99%を超え、米飯は週平均2.6回供されている(2000年現在)。その導入、継続にあたっては、パン業者との調整、炊飯設備の確保、調理員の対応など様々な条件に規制される。本調査の目的は、米飯給食の導入、継続にあたっての諸条件を探ることにある。〈BR〉【方法】2003年2月、北海道内212市町村の教育委員会を対象に、「米飯給食の現状と今後の方向に関する調査」票(A4版4枚)を郵送、回収した。調査項目は、現在の給食費及び米飯実施回数、炊飯方法、米の購入先、米飯給食の開始時期、今後の米飯給食回数についての考えなどである。回収した中から、米飯給食を実施している158か所を抽出した。〈BR〉【結果】158か所の週当たりの平均米飯回数は2.99回であった。農業の特徴別に見てみると、稲作地域3.11回、準稲作地域3.06回、非稲作地域2.84回と、稲作が盛んな地域ほど米飯回数は多い傾向にある。また稲作地域では、生産者から直接米を購入している割合が約3割であり、準稲作地域12.1%、非稲作地域5.4%に比べて高い。炊飯方法別では、自校炊飯で3.06回、委託炊飯では2.94回と、自校炊飯の方がやや米飯回数が多い。今後の米飯回数については、現在の米飯回数にかかわらず「今のままでよい」と回答した所が多く9割を超える。その理由は「今のままで献立内容が充実しているから」「今の米飯回数で児童生徒が満足しているから」である。しかし米飯回数3回未満の所では、それぞれ46.6%、30.0%と低くなる。「米飯給食はパン給食より材料費が高くなるから」の回答率が高く、また炊飯施設の限界や人件費など経費の問題もあげられた。
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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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