一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-1-23
会議情報
女子大生におけるNaとKの代謝に関する研究
*塩満 清華大野 美智子石橋 源次菊永 茂司
著者情報
キーワード: Na出納, K出納, 女子大生
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

[目的]日本人の無機質の所要量策定に用いられている日本独自のデータは多くない。そこで、女子大学生におけるNaの出納を検討し、またKの平衡維持量と所要量を算出した。[方法]女子大生16名を被験者にして、12日間の出納実験を行った。出納期間は、Znの所要量を検討することを主目的としていたので、低亜鉛食期(A)、標準亜鉛食期(B)、高亜鉛食期(C)の各4日間に3区分した。実験食中のZnとNa、Kの実測値(mg/日)は、Aが4.1と5264、2417、Bが9.5と3560、2774、Cが17.9と4579、2588であった。出納区分ごとに食事、便、尿を採取して、そのNaとKを原子吸光法で測定した。また、血中の無機質やフェリチン、HbA1c、肝機能の指標、尿中クレアチニン量を測定した。[結果]被験者の年齢の平均値は19.6歳、体格の平均値は身長159.8cm、体重55.3kg、BMI21.6、BMR1304kcal/日であった。尿中クレアチニンの平均値は901mg/日であった。また、測定した血中成分値は正常範囲内にあった。一方、実験食中のNaとK含量(実測値)は、五訂食品成分表に基づく計算値に比べて、Naが1.12_から_1.27、Kが1.04_から_1.19であった。Naの吸収率と体内保留量は、Aが99.0%、18.8 mg/kg/日、Bが98.6%、2.10 mg/kg/日、Cが98.4%、10.8 mg/kg/日であった。Naの出納は、AとCが正の出納、Bが平衡維持量58.4 mg/kg/日、所要量の式で算出した値は3875mg/日(食塩9.8g)であった。Kの吸収率と体内保留量は、Aが88.8%、_-_70.0 mg/kg/日、Bが88.6%、_-_32.9 mg/kg/日、Cが77.5%、 2.62 mg/kg/日であった。Kの出納は、AとBが負の出納、Cの平衡維持量と所要量が38.4 mg/kg/日、2548 mg/日であった。

著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top