一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-1-8
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ザンビア共和国の都市区と山村区における食生活状況調査
*遠藤 千鶴大福 月江岡崎 貴世
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抄録

目的】我々はザンビア共和国首都ルサカ市の低所得者居住区「ンゴンベ」でTICO(Tokushima International Cooperation)に協力し、栄養改善教室で栄養教育用教材の開発や子供達の栄養摂取状況・食生活・環境について調査を行っている。今回は山村区の子ども達の食生活状況を調査したので、報告するととも都市区との違いを検討した。【方法】調査方法;調査時期は2003年8月12_-_16日、調査地区はザンビア共和国首都ルサカから80Km北北西のチペンビ地区(山村区)である。調査内容は食生活一般(食事回数、主食、調理器具)および生活環境(飲料水、家族規模、トイレ)である。【結果】調査世帯数は13世帯である。山村区の子ども達の食事回数は1日2食が約54%と多かった。これは前年の干ばつが影響し、一時的に配給された救援物資の食糧を節食していたためであった。都市区の主食はメイズの粉(ミルミル)であったが、山村区の主食は小麦も多く(44%)、それらは食糧援助で配給されたものであった。住居は山村区では敷地が広く住居以外に調理するための家が独立してあり、さらに大きな食器乾燥棚が屋外にあった。都市区の住居は小さく、調理は外もしくは軒先で行っていた。飲料水は山村区では敷地内に井戸はなく歩いて10_-_15分の場所にある共同浅井戸または川の水を使用していたが、都市区では自宅敷地内の浅井戸、または使用料を支払って購入するケースが多かった。両地区とも1日1回の水くみを行い、これを汲み置きの水として室内に置き、飲料水、調理に使用していた。調理熱源は山村区は生木であり、都市区は炭である。この違いから、使用する器具は山村区では五徳、都市区では七輪であった。

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