一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Aa-2
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スポット状酸化鉄汚染布の画像処理による洗浄性評価
*石川 祐輔大矢 勝
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抄録

【目的】 洗浄に関する固体粒子汚れの定量的研究では、汚れを分散させた汚染浴に布を浸漬させることにより汚れを一定量、均一に付着させた汚染布を作製し、表面反射率から洗浄性を評価するのが一般的である。しかし付着量をコントロールするのが困難であるという問題点がある。これに対して画像処理を用いる洗浄性評価では、不均一性を考慮した汚れの定量が可能である。そこで汚れの分散液を一定量マイクロピペットでスポット状に付着させた汚染布を作製し、画像処理システムによる定量の可能性を探った。
【方法】 水中に分散させた酸化鉄粒子の分散液を、綿布の中央にスポット状に付着させた汚染布を作製した。この汚染布の洗浄前後の状態について、画像処理システムによる定量を行った。画像処理システムは撮影装置とアプリケーションから構成されるが、アプリケーションでは重回帰分析から求めた重回帰式を用いて試料画像の1ピクセル単位のRGB値をXYZ値へと変換する。求めたXYZ値からK/S値を求め、全ピクセルについて合計したシグマK/Sの汚染布と白布の差し引きから汚れ量としてシグマK/S(s-o)の算出を行う。
【結果】 洗浄前の状態として酸化鉄粒子を付着させた汚染布の定量を行った結果、付着量と画像処理から算出した汚れ量について良好な相関性が得られた。洗浄後の状態として、適度な洗浄性の差が表れるよう設定した洗浄条件で洗浄を行った。洗浄後についての定量結果では、フェナントロリン吸光光度法から求めた汚れ量と画像処理から求めた汚れ量は高い相関性が確認された。洗浄前後の状態の汚染布について酸化鉄粒子の定量が可能であったことから、画像処理システムでの洗浄性評価を行えることが確認された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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