一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Za-6
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亜鉛摂取方法についての検討
*尾立 純子亀井 正冶湯浅(小島) 明子船坂 邦弘佐伯 孝子湯浅 勲
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キーワード: 亜鉛摂取, 摂取間隔, 血清
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抄録

目的:亜鉛は生態内の多くの酵素に含まれており、栄養素の代謝や免疫防御機能などに重要な役割を示す。しかし、近年、亜鉛摂取不足を示す人が多いことが問題となっている.「毎日バランス良く」食事をすることで各栄養素を満たすことが望ましいが、そうでない場合の調整方法をどのように行えば良いのかを検討するために、本研究では亜鉛の摂取方法に着目し、摂取間隔を変化させた場合の亜鉛及び関連ミネラルについての挙動を調べた.方法:ハムスターを、亜鉛の摂取方法として(A)2日おき(亜鉛含量8.58mg)(B)1日おき(5.98mg)(C)毎日摂取した群(2.29mg)(D)低亜鉛食群(0.54mg)の4群に分けた。餌は亜鉛除去したAIN93に亜鉛を再添加して36日間飼育後、血液、肝臓、腎臓、精巣、糞を採取し、亜鉛、鉄、銅量を原子吸光で測定した。結果・考察:総摂取量と体重増加量は4群間に差は認められなかった。低亜鉛食群の血清亜鉛中の亜鉛及び鉄量は、毎日亜鉛を摂取した群より有意に低値を示したが、亜鉛の摂取間隔の違いによる差はなかった。一方、血清中銅量は亜鉛を摂取した群の方が低値を示した。これは亜鉛と銅の吸収における拮抗作用によるものと示唆された。また、肝臓中の亜鉛量と腎臓中の亜鉛及び鉄量は、すべての群において差は認められなかった。精巣中の亜鉛および銅量は、低亜鉛食を摂取した方が高値を示したが、鉄量はすべての群で差はなかった。しかし、亜鉛を摂取した群の糞中亜鉛量は低亜鉛食群より有意に高値を示した。以上の結果より、亜鉛の摂取方法が異なっても、栄養状態に差異がほとんど認められないことから、微量元素の体内動態は影響を受けないことが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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