一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Fa-10
会議情報

香気成分セドロールが終夜睡眠に及ぼす効果
‐セドロール吸着マクラカバーについて‐
*溝端 友希宮原 律子梁瀬 度子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

香気成分セドロールが終夜睡眠に及ぼす効果〈BR〉-セドロール吸着マクラカバーについて-〈BR〉【目的】前報の昼間睡眠においてセドロールの入眠及び睡眠促進効果が確認され、なかでもセドロール吸着枕カバーにおいて高い評価が得られた。そこで本研究では、この枕カバーを中心に日常の夜間睡眠における効果を実験室実験で検証するとともに、フィールド測定も併せて行った。〈BR〉【方法】〈B〉実験室実〈/B〉:被験者には21_から_23歳の青年女子4名を起用し、武庫川女子大学内実験室にて23時から約8時間の睡眠をとらせ、セドロールを吸着枕カバーと同素材・同型で非吸着枕カバー(コントロール)との2条件で被験者1人につき2例ずつ、合計16例の実験を行った。睡眠中の脳波、心拍数、皮膚温、寝床内環境を終夜連続記録し、実験終了後に起床時の感覚評価などについて申告を受けた。フィールド実験:高齢女性9名(63_から_83歳(平均74.2歳)にそれぞれの自宅において上記と同様の2種の枕カバーを3日間ずつ使用して睡眠をとらせ、睡眠中の心拍数と体動を終夜連続記録し、それらの挙動及び感覚申告からから睡眠状態を検討した。〈BR〉【結果】〈B〉実験室実験結果〈/B〉より、脳波上の睡眠経過は前報の昼間睡眠に比べ、全条件で通常の睡眠経過が認められた。とくにセドロール負荷時には、睡眠前半に徐波睡眠(St.3,4)量の増加傾向が認められ、レム睡眠出現量も増加した。実験日の4日間中2日において体調不良であった被験者1名を除くと、セドロール負荷時で睡眠効率が高くなり、中途覚醒時間も大幅に減少していた。これらの結果から、セドロールの副交感神経の機能を高め、鎮静作用によるセドロールの睡眠持続効果が確認出来た。〈B〉フィールド実験結果〈/B〉より、睡眠中の体動のうち四肢を動かす程度の小さい体動回数が約半数の被験者でセドロール負荷時に減少し、トイレ行動のような大きな体動による中途覚醒回数も減少傾向にあった。しかし、枕カバーの香りが気になる被験者では睡眠満足度の低下が認められた。

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top