一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Fa-9
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香気成分セドロールの負荷方法の違いが昼間の睡眠に及ぼす効果
*宮原 律子
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抄録

香気成分セドロールの負荷方法の違いが昼間の睡眠に及ぼす効果○宮原 律子*  梁瀬 度子**  溝端 友希**(*奈良女子大学・院 **武庫川女子大学 )【目的】現代は24時間化が進み、昼間活動して夜間休息するという本来の体内リズムに反して生活をする人が増加している。夜間勤務者にとって昼間に十分な睡眠をとることが必要になるが、昼間に満足な睡眠をとることは難しい。前報1)では天然樹木の香気成分セドロールが昼間の睡眠においても効果的であることを報告した。本報では簡便に使用できる方法として枕カバー方式を加えた3種の負荷方法により昼間の睡眠への効果を検討する。【方法】被験者には健康な青年女子5名を起用し、武庫川女子大学内の環境実験室において午後1時から3時間の睡眠をとらせた。セドロールの負荷方法は1.セドロール結晶粉末を室内に揮散(以下揮散)、2.セドロール吸着マスクを使用(以下マスク)、3.セドロール吸着枕カバーを使用(以下枕カバー)の3条件とし、比較対象としてコントロールを条件に加えた。被験者1名につき各条件2回ずつ測定し、睡眠中の脳波と心拍数の測定を行った。また、睡眠前後には睡眠についての主観的申告を得た。【結果】セドロールを負荷した場合、覚醒が減少し、コントロールで81%であった睡眠効率が90%近くまで改善した。揮散では中途覚醒が最も減少し、マスクでは入眠潜時が大幅に短縮した。(p≦0.05)また、マスクでは寝つきが早まり起床後の申告で高い評価を得た。枕カバーでは、被験者によってはカバーのにおいが気になりコントロールと違いが見られない被験者もいたが、それ以外の被験者では揮散と同様に中途覚醒が減少し、睡眠深度得点も高くなった。枕カバーを実用化に向けて改良をすることで、高い睡眠効果が期待できる。1)宮原他;日本家政学会第56回大会研究発表要旨集、p.154(2004)

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