一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Ha-4
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海外に住む国際結婚から生まれた子どものアイデンティテイとその影響要因
-国際結婚を考える会の場合-
*竹田 美知
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抄録

目的 海外に住む国際結婚から生まれた子どもは日本の国籍法では、3ヶ月以内に、出生届と国籍留保届けが提出されていることを条件に、日本国籍が留保され二重国籍を持つことができる。本調査は、海外に住む日本人と国際結婚をした家族を対象として親と子に、家族の中で、二つの文化がどのように伝達され、子どものアイデンティー形成がされるかを明らかにする。方法 アンケート調査にさきがけ、海外から帰国した国際結婚から生まれたきょうだい2組に、パイロット調査を行った。その後2003年11月に英文調査票と日本語調査票を用意して国際結婚を考える会の海外会員親子を対象に、郵送調査を行い、子ども票33票、親票58票を回収した。結果 回収票の68%はヨーロッパ諸国から返送され、子どもの母親の出身国であった。1)学校や職場では、現地の言葉を使う子どもが7割近くいるが、2割近くが2カ国語を使っている。しかし家庭では2ヶ国語を使っている子どもが6割近くいる。2)国籍は2つ持っている子どもが76%、3カ国以上持っている子どもが6%いる。22歳までに選択を求めている日本の国籍法を知っている子どもは半数であった。国籍を2つ持つことを望ましいと考える子どもは84%に上っている。3)重回帰分析の結果、海外に住む子どもが「自分のことを好きだ」と自己肯定する場合は、「親による出身国の文化の教育経験があること」と、「両親の教育方針の一致がみられること」が影響要因として考えられる。

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