一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-33
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ドイツにおける子供靴の実態
-小学生の保護者を対象としたアンケート調査より-
*渡辺 澄子片瀬 眞由美平林 由果
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抄録

目的 わが国では、足の症状で悩む人が非常に多くなってきた。それらの症状は急に現れるのではなく、幼少期からの靴の選び方や履き方に原因があるのではないかと考えられる。我々は既にわが国の幼児を対象に実態調査を行い多くの問題点を明らかにした。ここではさらに、靴文化の長い歴史をもつドイツにおける子供靴の実態を、ドイツの小学校の保護者へのアンケート調査をもとに分析し、いくつかの知見を得たので報告する。方法 調査対象者はドイツ3地域(ベルリン、フランクフルト、フライブルク各1校)計小学校3校の保護者338名である。調査時期は2004年5月_から_6月、配票留置法による自記式調査を行った。調査内容は、普段履く靴のタイプ、靴購入時の重視点、購入店、足のサイズ測定、価格、子供靴に対する不満、子供および保護者の足の健康状態、足の症状に対する対処法、子供が最初に履いた靴に対する記憶や保存等である。結果 普段履く靴のタイプは紐靴がほとんどである。留め具のない靴はほとんど履かれていない。靴購入時の重視点はフィット性と子供の足の健康であり、シューフィッターなどのいる靴専門店で足のサイズを測って購入している。普段の靴一足の平均購入価格は6570円(円換算)であり、わが国の平均価格よりかなり高い。靴購入時の不満では価格の高さを不満と答えているものが多いが、しかしながら中古靴に対して経済的だから履かせるというものはほとんどいない。子供の足の健康には非常に関心があると答えており、足のトラブル症状に対しては、専門家のいる靴店で靴を選ぶ、病院で受診していると答えていた。子供が最初に履いた靴を6割近くのものが大事に残しているのも靴文化の違いであろう。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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