一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 2Ja-10
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口頭発表 児童・家族関係
家庭(家族)観点で考えるフリーター・ニート
*安田 純子
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キーワード: フリーター, ニート, 家庭, 家族
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抄録

[目的] 近年、「フリーター」の増大が憂慮され、「ニート」という言葉を耳にするようになってきた。問題が深刻化しつつあるこれらを、その生活環境である家庭(家族)という観点から考察する。[方法] フリーターやニートに関連した文献(社会学・心理学・経済学関連、国民生活白書なども含む)ならびに、事例等の研究による。[結果] 経済的依存が可能な親世代や複雑な家族関係、少子化の影響や親の考え方やライフスタイルの影響、親子間の対話やコミュニケーションの不足など、家庭や家族の関係は、職業観の変化や目的意識の欠如を引き起こし、フリーターやニートを生み出す大きな要因の一つとなっている。遊びの中で物を作り上げ仕事を完成させる喜びを身につけるといった経験の不足と、アイデンティティの捉え方の変化も関係し、また家庭での必要以上の保護は自立への契機を少なくしている。フリーターやニートの増加を抑え減らすには、政府の適切な対策や、経済的対応に加え、家庭環境を整えることも含めた家族からのアプローチが必要不可欠である。経済効率優先の社会において、家庭機能に目を向け、人間のあり方を考えその生活を大切にするという原点に返って考えていかねばならないだろう。

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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