抄録
(目的) 健全な食生活は健康の維持・増進にとって欠かせないものであり、最近、健康志向が高まる中で、ヨーグルトの消費量が牛乳・乳製品の中でも特に増大している傾向にある。本研究ではヨーグルトについて、食生活でのヨーグルトの位置付けや、どのような人に食べられているのか等の現状を調査した。
(方法) 2005年12月に往復郵送による留め置き法でアンケート調査を行い、首都圏に在住する12歳から69歳の男女1087名から有効回答を得た。ヨーグルトについて、好みや食頻度、イメージ、よく食べているもの等の質問から得られた回答について解析を行った。
(結果) ヨーグルトは「美肌効果が期待できそう」、「栄養バランスが良さそう」等の美容や栄養イメージに比べ、「健康に役立ちそう」、「胃腸の調子を整えてくれそう」という健康イメージを持つ人が非常に多かった。ヨーグルトに対して「おいしい」というイメージを持っていない人でも健康イメージを持つ人は多く、健康感は共通イメージであると考えられた。ヨーグルトを「ほぼ毎日食べる」と回答した人は全体で21%であったが、50代女性ではほぼ毎日食べる人が40%、60代男性では35%認められる等、特に高年齢層で食頻度が高い人が多かった。また、高年齢層の特徴として、「整腸作用があるものをよく食べる」という人が多かったのに対し、低年齢層では「デザート感が強いものをよく食べる」と嗜好性を求める人が多かった。ヨーグルトに対する意識は年代などで異なり、その点がヨーグルトの食頻度に関係していると考えられた。