一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1P-23
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ポスター発表
鰹だしのにおいが減塩効果に及ぼす影響
*真部 真里子浅場 結希今村 真希
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キーワード: 減塩, だし, 鰹節, うま味, におい
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抄録

目的 塩味強度は食品のおいしさを決定する重要因子であるため、嗜好を満足させる減塩調理は難しいが、その方法の1つに、だしのうま味を強く効かせる方法がある。これは、うま味物質のMSGの効果であると考えられている。しかし、昨年、我々は、だしの減塩効果には、MSGだけでなくだしのうま味以外の風味もその減塩効果に影響していることを報告した。そこで、本研究では、鰹だしのにおいに注目し、においの減塩効果について検討した。
方法 被験者(20歳代前半の本学在学生および職員)25名に、だしのにおいを嗅ぎながら飲んだ0.62-1.00%の5段階のNaCl溶液とにおいの付加なく飲んだ0.80% NaCl溶液の2個の試料間で塩味を強く感じる試料を選択してもらった。においの付加には、枯節一番だし、荒節一番だし、4週間前に開封した荒節一番だし、20時間水だし荒節だしを用いた。また、だしのにおいをGC-O分析し、各だしのにおいの特徴を検討した。
結果 官能評価より得られたデータをプロビット法にて解析した結果、枯節一番だしのみ減塩効果が認められた。4種の鰹だしのにおいをGC-O分析した結果、RT22分付近の酸味を伴うだしのにおい、38分付近の土付きジャガイモのにおい、41分付近のデンプン臭を含む甘い抹茶のにおいが枯節一番だしにのみ認められた。よって、枯節一番だしに認められた減塩効果は、これらのにおいを呈する香気成分に起因すると推察された。

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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