一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1La-7
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口頭発表 高齢者の生活
都市部在住の高齢女性の体力と生活全般に関する研究
*加賀谷 みえ子
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キーワード: 高齢女性, 体力, 生活全般
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抄録

<目的>わが国では、人口の高齢化が急速に進行している。この高齢化は、罹病高齢者の増加を意味する一方で、健康高齢者数の増加も意味する。都市部在住の高齢者集団の体力の実態を把握し、その集団の経年変化を追跡する目的で、調査を実施した。<対象・方法>都市部在住で継続的にスポーツ活動に参加している高齢女性58名。平均年齢(女性:73.7±7.6歳) 年齢別に2群に分けた(A群:74歳未満、BMI22.4 B群:74歳以上、BMI23.0)。_1_身体計測・体力測定:平成17年3月、「新体力テスト実施要項」(65_から_79歳対象)の11項目に準拠し実施し、測定2項目間の比較を行った。_2_生活全般に関する調査:9項目89問をBMIの高群・低群で比較した。<結果>体力測定項目をAB群で比較すると、筋力、敏捷性、柔軟性には2群間で差はなく、その他の項目、骨密度、平衡性、健脚度、肺機能において顕著な差が認められた。敏捷性は棒反応時間が長くなるほど開眼片足立ちは短くなる負の相関関係(p<0.05)が認められた。長座体前屈と上体起こしの関係では正の相関関係(p<0.05)が認められた。骨密度は加齢とともに減少する負の相関関係(P<0.01)が顕著に認められた。生活面ではBMI高群ほど食事面に注意を払い、食事を楽しみとし、健康に対する意識は高く、歯の残存本数は20本以上の者は全体の57%を占めていた。最も好む肉類では低群は魚類、高群は獣鳥類を好む割合が高かった。外食をする割合は高群で2.2倍高かった。

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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