一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1La-6
会議情報

口頭発表 高齢者の生活
地域介護・福祉空間整備等交付金による「日常生活圏域」の実態
地方自治体における高齢者福祉施設の配置計画に関する研究(その2)
*奥山 純子中山 徹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を継続するためには、高齢者が必要なサービスを高齢者の生活圏域内で整備することが望ましい。改正介護保険法では、今後の介護サービス基盤整備は「日常生活圏域」を設定した上で行うことが定められた。その整備手法である“地域介護・福祉空間整備等交付金”制度が初めて実施された2005年度に「市町村交付金」の内示を受けた自治体に着目し、内示を受けた自治体の施設整備計画を分析することで、自治体が定める「日常生活圏域」の実態を明らかにすることを目的とする。【方法】全国の市町村のうち、2005年度に市町村交付金の内示を受けたのは156自治体341計画で、その内225計画(66%)、89自治体(57%)から計画書を収集した。この計画書を分析することで「日常生活圏域」の実態を把握する。【結果】収集した計画書のうち「日常生活圏域」として自治体内を細分化した圏域数を把握できたのは51自治体であった。圏域規模を分析すると、中学校区数と圏域数が同じ自治体は20自治体(39%)、中学校区より圏域が小規模と捉えられる自治体は32自治体(62%)であった。また、中学校区より圏域規模が大きい自治体は、比較的人口密度が高く、1圏域あたりの面積は小規模なものが多かった。更に、各日常生活圏域に整備される施設は、介護老人福祉施設、短期入所生活介護、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護拠点、及び介護予防拠点の整備率が高く、小規模多機能、介護予防拠点ともに、施設数は圏域の規模による傾向はなかった。また、認知症関連の施設では、グループホームの整備がある程度済むと、認知症対応型デイを整備する傾向にあった。

著者関連情報
© 2006 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top