一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1p-4
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ポスター発表
東日本・西日本における「鮭と鰤」「豚肉と牛肉」の購入量
-家計調査データによる判別分析-
*高橋 洋子小谷 スミ子
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抄録

目的: 「東日本は鮭、西日本は鰤」あるいは「東日本は豚、西日本は牛」などと一般に言われている。そのような状況を数量的に検証するため、統計手法を用いた分析を試みた。
方法: 総務省家計調査における‘さけ’‘塩さけ’‘ぶり’‘豚肉’‘牛肉’の1世帯当たり年間購入量注)について、都道府県庁所在市別に(a)'71-'73(b)'81-'83(c)'91-'93(d)'01-'03の4時点における3年平均値を算出した。「鮭(‘さけ’+‘塩さけ’)と鰤(‘ぶり’)」および「豚肉と牛肉」の購入量について、各々4時点で、“東日本”と“西日本”の判別分析(線形判別)を行った。なお、新潟・長野・山梨・静岡以東を“東日本”とした。
結果: (1)判別分析の結果:「鮭と鰤」「豚肉と牛肉」ともに4時点とも判別的中率は90%以上であった。誤判別された市は次の通り。「鮭と鰤」(a)なし(b)横浜・千葉・静岡(c)東京・横浜・千葉・静岡(d)東京・横浜・千葉・さいたま。「豚肉と牛肉」(a)山形・鹿児島(b)那覇(c)山形・那覇(d)山形・那覇。(2)誤判別された市に着目した地域性の考察:「鮭と鰤」東京・横浜・千葉・さいたまは、大都市圏で他地域からの転入者も多いことから、地域性が弱く、東日本にしては鮭の購入量が少なかったと推察される。静岡については、東西の境界に位置するため、“東日本”と“西日本”の中間的な数値を示したと考えられる。「豚肉と牛肉」米沢牛の産地である山形は、東日本にしては牛肉の購入量が多かった。薩摩黒豚の産地である鹿児島と、冊封使饗応のため14世紀から養豚を行っていた沖縄は、西日本にしては豚肉の購入量が多かった。注)(a)時点の「購入量」=各市における年間購入額/全国単価。(a)時点は沖縄を含まない。

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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