一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: P-175
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観察法による個人の誤差の特徴
井上 和子*山田 恒代
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抄録

(目的)被調査者に負担をかけずに食事摂取量を把握できる食事調査法のひとつに“目測り法”がある。目測り法を用いての食事調査は、調査者の食品の重量をより正確に推測する能力が問われることとなる。食品重量推測能力を高める訓練の方法として、自己の食事記録をつけることを実施し、それによって、推測能力の向上が得られたかどうかを検討した。
(対象)管理栄養士、栄養士養成校の2.3年生の女性29名である。年齢は、19~35歳である。
(方法)2週間の自己の食事を記録することを訓練法として実施した。食事記録実施直前に食品推測の前テスト(Pre-test)を行い、1週間後(Post-test1)と2週間後(Post-test2)に同様のテストを行った。食品は16種類で、テストには3回とも同じ食品を用いた。
(結果)前テスト(Pre-test)を行い、1週間後(Post-test1)と2週間後(Post-test2)と平均としての推測誤差は減少した。個人の推測誤差の原因は食品の種類にもよる。個人の推測誤差は訓練後、的確に推測できるものもいれば、数倍あるいは数分の一の誤差を出すものもいる。個人特有の誤差もあり、食品を軽く推測する傾向のあるものは訓練後も軽く推測する傾向にあった。また、誤差を大きく出すものは食品重量を軽く推測する傾向にあった。
(文献)井上和子、西念幸江、石川元康;二葉栄養専門学校研究集録 Vol 2,観察法による食品重量の推測(第2報) p91~104(2004)

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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