一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: P-408
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モデルメニューのLC-CO2を利用した食教育
津田 淑江堂薗 寛子岡本 春香小池 恵*大家 千恵子
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抄録

目的:地球温暖化防止のための京都議定書では目標期間(2008年~2012年)に1990年比で一定数値を削減することを義務付けている。しかし2004年度のCO2排出量は、産業部門においては基準年と比べ96.6_%_削減されているが、家庭部門からのCO2排出量は131.5%と増えている。そこで本研究では、家庭で食材から調理する場合を想定し、料理が出来上がるまでのCO2排出量を算出し、家庭における具体的なCO2削減のための評価方法を検討した。また高等学校において環境に配慮した食生活を意識させることを目標に食教育とその実践を行い、介入教育の効果を検討した。
方法:1)環境負荷研究対象メニューの作成には、主食、主菜、副菜、汁物での出現頻度上位品目とその形態を参考に選んだ。朝食はパン食、昼食は麺類とし、夕食は和食、洋食、中国食の3パターンを作成した。また調理を実践し、調理時の都市ガス消費量、電気使用量を測定し、調理におけるCO2排出量を算出した。2)食教育とその実践ではハンバーグを取り上げ、牛肉の生産時のCO2排出量が多いことから豆腐のハンバーグを提案した。
結果:1)調理から排出されるCO2量は、夕食で比較すると和食(約670g)、洋食(約500g)、中国食(約370g)の順で少なくなった。対象メニューにおいて一日分の食事を調理する際に排出されるCO2量は、平均1.405Kg- CO2であった。世帯数(4983万世帯/2004年)を考えると、調理時に全世帯より排出される1年間のCO2量は2556万トンと想定された。2)食教育とその実践の結果、ハンバーグの牛肉の替わりに豆腐を使用することにより、生産・輸送・調理・消費という流れで環境を見ることを学び、日常生活で環境に配慮した行動を意識することができるようになり介入教育の効果が認められた。

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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