一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: B1-3
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機能性電解水の洗浄性
*尾畑 納子桑原 宣彰
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抄録

目的 本研究では水環境に負荷をかけない洗浄方法の一つとして、各種機能水に着目し、その除去性を検討している。すでに、各種繊維に付着する農薬の除去性を調べ、ナイロン汚染布に対してアルカリ電解水の洗浄効果が顕著であったことを報告した。本報告では、これまでの種々の洗浄液での洗浄性の結果を踏まえ、さらに効果的な洗浄液組成を提案するため、機能性電解水をベースとして、酵素や界面活性剤を助剤として添加した系における洗浄性について調べた。
方法 洗浄液:アルカリ電解水(pH11.5)、電解還元水(pH6.7)補助成分:酵素(エスペラーゼ4)、界面活性剤(SDS)、汚染布:湿式人工汚染布(洗濯科学協会製)洗浄条件:洗浄液にSDSや酵素を適宜混合した洗浄液を調製し、洗浄温度20℃~40℃で、洗浄力試験機ターゴトメーター(40rpm~160rpm)により10分間洗浄を行った。洗浄性評価:汚染布の洗浄前後の表面反射率から求めたk/s値より除去性を算出した。また、酸化還元電位測定により洗浄前後の液性の変化を調べた。
結果 各種洗浄液単独の系での湿式人工汚染布の洗浄性は、機械力が大きくなる程良くなるが、洗浄温度に関しては40℃よりも30℃の方が効果的であった。次にこれらの洗浄液に酵素や界面活性剤を添加した場合、単独系の場合と同様に機械力が大きくなるに従い洗浄性も良くなった。酵素や界面活性剤の添加効果が最も著しいのはアルカリ電解水との混合系であった。通常の洗濯濃度に相当するSDS 8mmol/lの半分に相当する4mmol/lの添加によって、十分な洗浄効果を発揮した。しかし、電解還元水ではアルカリ電解水のような洗浄効果は認められなかった。 

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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