一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: E1-6
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ゴマ摂取によるトコフェロール代謝の阻害
*内田 友乃池田 彩子市川 富夫山下 かなへ
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抄録

【目的】現在までに、ラットにおいて、ゴマがビタミンEであるγ-トコフェロールの代謝を阻害することによって体内γ-トコフェロール濃度を上昇させることを見出した(1)。さらに本研究では、ビタミンEの中で最もビタミンE活性の高いα-トコフェロールの代謝に対するゴマの影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】ビタミンE無添加飼料で4週間飼育したビタミンE欠乏ラットに、α-トコフェロールのみ(A群)、α-トコフェロールとγ-トコフェロール(AG群)、α-トコフェロールとゴマ(AS群)をそれぞれ添加した飼料を1週間摂取させた。すべての飼料のα-トコフェロール添加量は等しく、AG群とAS群の飼料のγ-トコフェロール含量も等しくした。屠殺前12時間の尿と、血液および主要組織を採取した。 【結果】α-トコフェロール代謝産物の尿中排泄量は、A群とAG群で等しく、この2群に比べてAS群では40%程度に減少した。一方、血清、肝臓、腎臓、肺のα-トコフェロール濃度は、A群とAG群で等しく、この2群に比べてAS群では有意に上昇していた。以上の結果から、ゴマは、γ-トコフェロール代謝だけでなく、α-トコフェロール代謝も阻害することによって、血液や組織のα-トコフェロール濃度を上昇させることが示唆された。 (1) Ikeda et al. J Nutr, 132, 961 (2002)

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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