一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2P-6
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米パンの物性と青年の嗜好性の関連
*小出 あつみ山本 淳子松本 貴志子山内 知子
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キーワード: 食パン, 米粉, 嗜好性, 物性
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抄録

目的 食料自給率低下や米の消費量減少の背景を受け、近年では米粉の特徴を生かしたパンの普及・拡大が期待されている。本研究では、2種の性質の異なる粳米を使って調製した米パンの物性を明らかにし、青年の嗜好との関連性を解析することを目的に研究を行った。
方法 パンの調製は一般の料理本を参考にした。米粉は愛知県産の愛知の香り(A)と福島県産のやや低アミロース米であるミルキーウェイ(M)を使用して各30%添加した。米粉無添加パンをコントロール(Con)とした。パンの色差のL*・a*・b*値を色差計で、破断強度をクリープメーター物性試験システムで測定した。結果は多重比較検定で解析し、統計的有意水準を5%以下とした。また、女子大学生45名をパネルとした嗜好検査を評点法で行った。
結果 色差の白パンのL*値ではM>Con>Aの順で、a*値とb*値ではM>A>Conの順番で高かった。トーストパンのL*値ではCon>A>Mの順番で、a*値ではM>Con>Aの順番で、b*値ではA>Con>Mの順番で高かった。破断強度の最大荷重値は白パン、トーストパン共にCon>A>Mの順で高かった。また、トーストのサクサク感はA>M>Conの順番で高かった。官能検査の評点法では色、つや、柔らかさ、旨味、食感および総合評価の項目でM>A>Conの順番で好まれた。以上の結果より、青年に最も好まれた米パンはやや低アミロース米を加えた米パンのMであった。Mの物性は、3種のパンの中で最も柔らかく、色が白く、トーストでは一番焼き色がつきやすく、サクサク感がConの1.6倍あるという物性を有する米パンであった。

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© 2010 一般社団法人 日本家政学会
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