一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2P-7
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植物性食品の「硬さ」に及ぼす加熱時間および甘味料・みりん添加の影響
森口 綾香*岡本 洋子吉田 惠子
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抄録

目的 植物性食品のうち、いも・野菜類を中心とした6種類を選び、加熱時間経過にともなう軟化、食品を加熱した際の「硬さ」に及ぼす甘味料・みりん添加の影響を調べることを目的として、食品の破断特性を測定した。
方法 実験材料は、さつまいも、さといも、じゃがいも、かぼちゃ、青首だいこん、洋にんじんの6種類である。加熱時間は、3, 6, 10分(6種類のうち青首だいこんを除いた5種類)と3, 6, 10, 20分(青首だいこん)である。甘味料(グルコース・キシリトール)添加加熱、みりん添加加熱について、水加熱も同一条件で実験を行って破断特性を比較した。破断特性の測定には、クリープメータ(RE2-3305B:株式会社山電製)を用い、破断応力を「食品の硬さ」の指標とした。
結果 6種食品について、加熱初期段階では、生食品に比べて硬化傾向を示す食品が一部みられたものの、加熱時間の経過とともに破断応力の低下傾向が認められ、軟化していることがわかった。6種食品について、「グルコース添加加熱」は、「水加熱」に比べ、おおよそ半数のグループにおいて(38グループ中18グループ)、破断応力値が小であった。6種食品については、「キシリトール添加加熱」は、「水加熱」に比べ、おおよそ半数のグループにおいて(38グループ中18グループ)、破断応力値が小であった。6種食品については、「みりん添加加熱」は、「水加熱」に比べ、38グループ中15グループ(39.5%)において、破断応力値が小であった。以上から、「水加熱食品」に比べ、「みりん添加加熱食品」ではやや硬化傾向、「甘味料添加加熱食品」では著しい硬さの違いがないことが明らかとなった。

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© 2010 一般社団法人 日本家政学会
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