一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2J-2
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和室の現状と居住者の意識からみた和室空間の将来像を考える
第2報 和室空間の形態および使用実態
*佐々 尚美竹原 広実梁瀬 度子
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キーワード: 和室, 形態, 使用用途
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抄録

【目的】現代住宅における和室空間の形態および使用実態に関して把握することを目的とした。【方法】和室と他室との連続性や板敷の有無などの和室形態や、和室での生活行為、和室の洋風化使用の有無などといった使用実態に関する項目について設問を作成し、アンケート調査を実施した。得られた結果は近畿、東北、中部、北陸、東海、山陰、九州の地域に分け、地域による差異を中心に検討した。【結果】近畿504件、東北173件、中部119件、北陸111件、東海89件、山陰145件、九州162件などであった。和室率と築年数との間に正の相関関係が認められ、築年数が長いほど和室率は高い。また北陸、東北、中部は築年数に対して和室率が高いなど地域差がみられる。和室形態は全体的に「独立した和室」が多く、近畿では70~90%と大半が「独立した和室」をもち、「畳コーナー」は少なく10_%_以下であった。築年数との関連もみられ、「続き間の和室」が[ある]住宅の築年数は平均27.7年、[ない]は15.3年、「畳コーナー」が[ある] 15.3年、[ない]21.3年と、伝統的形態の続き間が減少しているのに対して新しい形態がみられ、この傾向は地域で共通している。「和室と洋室の使用状況」について、近畿は[和室を洋風化して使用]が30%程度、[洋室を和室風に使用]は20%程度であり、他地域は、北陸が[洋風化して使用]が50%程度と高い。「和室の使用用途」は [寝室として]が最も多く、[仏間として] [客間として][居間として]が続く。更に[洗濯物をたたむ][新聞や本を読む]など家事やくつろぎの場として使用され、地域による違いはみられない。

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