一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 3B-11
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青年期女子の健康課題と支援手段
*原島 恵美子中川 靖枝
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抄録

目的 女子高校生は,生涯で最も健康度が高いため健康管理についての自覚が乏しい。また,健康感はファッションや美容面の関心が高く,自己の適正体重を維持する上で問題が生じやすい。本研究では,生涯を通じた女性の健康支援として,妊娠予備軍である女子高校生の健康課題の解決手段の手がかりを得るため,体型の自己認識や理想体型および食生活状況を質問紙調査の情報解析から検討を行った。
方法 被調査者は,Y県立女子高等学校1~3年224名とした。主要な調査内容は,体型に関する状況(自己申告による現在の体型と理想体型,体型の自己評価・体型認識理由)と食事に関する実践状況(食生活のリズム,欠食,適正な食事の知識等の自己評価や改善意欲)とした。
結果 体型の特徴は,やせ21.4%,正常75.5%,肥満は3.1%で,現状の身長体重とも既存の標準的データより高く軽かったにもかかわらず,理想体型の身長は160.4±4.0cm,体重47.2±4.1kgと,半数がやせの体型領域を願望していた。体型の認識は,やせているが5.8%,普通29.6%,太っている64.6%であり,約6割が現状と不一致であった。体重の計測習慣はダイエットとの関わりが強く,理想体重を維持することと有意な関連性があった。食生活は,8割が「食事の量は適量である」としていたが,「適切な食事内容・量を理解している」や「食事や栄養についての必要な情報を得ている」のは半数に及ばなかった。自分の食事に問題があると認識していた6割のうち,8割に改善意欲があった。女子高生が望ましい健康管理を自覚するには,自己の適正な体型認識と日常の適正な食事内容を一致させる支援の一環として食環境の整備が必要である。

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© 2010 一般社団法人 日本家政学会
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