一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 3B-15
会議情報

集団保育施設における食育実態調査
*阿部 稚里
著者情報
キーワード: 食育, 幼児, 集団保育施設
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】幼児期は身体や精神の発達のみならず、食習慣や生活習慣を形成する重要な時期である。そのため、三重県では食育推進計画を策定し、民間・行政・教育の連携を図りながら幼児期に対する食育の推進を行っているが、連携を図るための基礎資料に乏しいのが現状である。そこで本研究では、集団保育施設(保育園や幼稚園)における食育の実態調査を行い、今後連携を強化するための基礎資料を得ることを目的とした。
【方法】三重県T市内の保育園54施設および幼稚園50施設を対象に、質問紙調査を行った。調査項目は、回答者の属性、園児に対する食育の関心度、食育に関心があるまたは無関心な理由、食育によって園児に期待できること、実際に園で行っている食育の内容、今後取り組みたい食育内容である。
【結果】有効回答数は保育園51施設(有効回答率94.4%)、幼稚園44施設(有効回答率88.0%)だった。有効回答者の主な属性は、保育園と幼稚園で差はなかった。食育に関する関心度は、関心があるが最も高く、どちらかといえば関心があると合わせると98%を越えていた。食育に関心がある理由として、子どもの心身の健全な発育に食育が必要だからとの回答率が、保育園・幼稚園共に90%を越えていた。園での食育によって、薄味などより望ましい味覚が身につくと期待できるとの回答は、保育園に比べて幼稚園で中央値に低い傾向がみられた。実際に園で行っている食育の内容は、子どもクッキング、野菜の栽培、行事食に親しむなどがあり、今後取り組みたい食育内容には、保護者への食育の啓発、生産者との触れ合いなどが挙げられた。これらについては、今後民間・行政・教育の連携を強化していく予定である。

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top