一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-7
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5月28日
撥水性被服材料の教材研究
*小野寺 泰子川又 勝子佐々木 栄一
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抄録

[目的]本研究では,小学校家庭科の実験教材開発を目的として,被服材料の水に関係する性質・機能のうち,特に撥水性に着目し,その性質を顕著に示す繊維を取り上げて検討した。現在,小学校では,様々な被服材料を観察することを通して被服材料の学習も行っている。このような授業の中に新しい撥水性被服材料を使った簡単な実験を組み入れ,汎用繊維と比べてその性質の違いを顕著に示すことができれば,被服材料が持つ性質・機能を理解させることができると考えた。
[方法]繊維材料としては超極細繊維織物,汎用繊維織物を用いた。布の撥水性を確かめるため,刺繍枠に固定した布の上に滴下した水滴の観察,顕微鏡による観察,洗浄瓶による水かけ実験,傾斜する布帛試料面上に落下する水滴の挙動を観察する簡単な撥水性実験装置等を考案した。これらの実験の中から,刺繍枠に固定した布の上に滴下した水滴の観察を小学校家庭科の授業で取り上げ,実施した。
[結果]授業の結果,刺繍枠の固定した撥水性布帛上で水滴がボール状に付着している様子や指で押しても潰れることもなく形状を保持すること,および試料を傾斜すると水滴が転がることが観察できた。木綿は水滴を即座に吸収し,ポリエステル上の水滴は試料の傾斜によって形状が崩れて流れるが、ボール状のまま転がることはなかった。この観察によって汎用繊維と撥水性繊維上の水滴の挙動の違いを観察することができ、撥水性の違いを示すことができることが分かった。

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