一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 3D-5
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口頭発表 5月13日 被服
高齢女性におけるズボン着装評価
*布施谷 節子柴田 優子
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抄録

目的:高齢女性のズボンの着装には、おしゃれより安全性や体型カバーなどの機能性を優先させると言われている。そこで、実態を把握するため、高齢女性の求めるズボンの丈やデザインについて、高齢女性のズボン着装写真を資料として高齢者の評価を調査することとした。同時に若者の評価も調査することにした。また、着装を評価する際に着目している身体部位について視線追尾により明らかにすることを試みた。
方法:ズボンのデザインはスタンダード、ワイド、スリムの3タイプとした。丈は床丈を基準として、それより4cm、8cm、12cm短いものを準備した。モデルは80歳女性1名で、前面と側面の全身写真から評価用の写真票を作成した。
(1)評価調査:高齢女性30名と女子学生77名を調査対象とした。脚が長く見える丈、脚が細く見える丈、痩せて見えるシルエット、おしゃれに見えるシルエット、普段着として履くもの、おしゃれ着として履くものの6項目について評価調査をした。
(2)視線追尾調査:視線追尾システム(View Tracker)を用い、評価調査項目を回答する際の視線の動きを追跡した。調査対象は女子学生30名である。データは正面では胸部・上腹部・下腹部・大腿部・ふくらはぎ・踵、側面ではさらに臀部を加えてエリア設定し、滞在した時間を捉えた。
結果および考察: 評価調査の結果、正面と側面では結果が全く同じではないことがわかった。正面は側面よりも評価がしにくい傾向がみられた。質問項目によって高齢女性と女子大学生の回答には差異がみられた。視線追尾の結果、いずれの質問でも上腹部、下腹部、大腿部に集中する傾向にあったが、質問項目によって着目する体の部位の違いも明らかとなった。

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