一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 3E-3
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口頭発表 5月13日 被服
女子大学生の自己の顔に対する認識と衣服選択
*杉浦 愛子森 俊夫木本 晴夫
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キーワード: , 衣服, 認識, 意識
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抄録

目的 人には顔がある。顔は着装した身体と組み合わされることによって自己をより明確に表現する。そのため、衣服には顔の印象をより良くみせるための効果や、顔の印象を損なわないようにするための配慮が求められると考えられる。そこで、本研究では顔と衣服選択の関係を明らかにすることを目的に、女子大学生の自己の顔に対する認識度および意識度と衣服選択の関係について検討した。
方法 2011年4月~7月に、女子大学生143名(平均18.95歳)を対象とし、「自己の顔に対する認識度」および「自己の顔に対する意識度」についての各項目を5段階で評価させた。これを主因子法による因子分析およびグループ内平均連結法によるクラスタ分析を用いて分析を行った。また、衣服選択の際に意識する項目を選択させ、平均値を求めた。
結果 女子大学生の自己の顔に対する認識度は「肌」「目」「鼻」「形」「口」の5因子構造であった。被験者は大きく2群に分けられたが、衣服選択の際の顔への意識について、この2群による違いはみられなかった。また、女子大学生の自己の顔に対する意識度は「肌」「目」「眉」の3因子構造で、被験者は「低意識群」と「高意識群」の2群に分類された。「高意識群」は衣服選択の際に顔を意識することが多いが、「低意識群」はそれほど意識していないことがわかった。これらのことから、自己の顔に対してどのような認識をもっているかということよりも、自己の顔に対する意識そのものが高いほど、衣服選択の際には顔と衣服の関係について注目していると考えられる。

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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