一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2I-5
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口頭発表 5月12日 住居、震災
大学生の住居環境と食生活に関する研究
―キッチンに対する満足度と食生活行動の関連―
*齋藤 友貴高田 宏
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抄録

【背景と目的】家庭を離れ単身居住をしている大学生は,食生活を自己管理することが求められている。そこで,彼らの住居環境と食生活の実態を調査し,それらの関連を明らかにする。本報では,大学生のキッチンに対する満足度と食生活行動に着目し,自立した食生活を営むことができる住居環境について考察する。
【方法】調査対象者を東広島市のアパート・マンションで一人暮らしをしている広島大学平成22年度入学生とした。調査対象期をⅠ期(4月),Ⅱ期(7月),Ⅲ期(10月),Ⅳ期(1月)とし,7月にⅠ期,Ⅱ期,10月にⅢ期,1月にⅣ期のアンケート調査を行った。アンケート調査は,学生生活,周辺環境や部屋の間取り,設備などの住居環境,調理や食事に対する意識や考え,購買行動および外食傾向に関する内容であった。調査方法は,留置法を用いた。
 【結果】キッチンに対する満足度と食生活行動の自炊頻度や調理済み食品などの利用頻度について考察を行った。満足度について対象者は,キッチン空間の「広さ」に不満を抱いており,キッチンの空間的充実が自炊をしやすくすると考えていることが明らかとなった。自炊頻度は4期にわたって増減したり,変化が少なかったりと,様々な対象者がいたが,性別間の差異はあまりみられなかった。また,調理済み食品などの利用頻度は,4期にわたり増加する傾向にあり,自炊頻度の関係について考察を行った。キッチンに対する満足度が高い対象者の自炊頻度は,高い水準である傾向が明らかとなった。大学生の住居環境について,「広い」キッチン空間を提供することや「広く」使うことのできる工夫を提案することが,自立した食生活を営むことに関連していると考えられる。

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